名古屋城石垣の刻印を見に行こう! Vol.18 本丸西壁 其の五
2025.12.28
2026.01.12
一、なんらかのマークが付けられた石を「刻印」や「刻紋」、
もしくは人物の名が入っているものを「刻銘」と呼びますが、
この連載では主に「刻印」という呼び方で統一します。
一、名古屋城には膨大な数の刻印があり、
確認されているだけで2000以上もあるのだとか。
劣化により判別不明なものも多いため、本連載では
目視ではっきりわかるものを中心にご紹介してゆきます。
(名古屋城の刻印についての詳しい概要はこちらの記事もご覧ください)
一、タブレットにて刻印を白や赤の線でなぞった加工画像もありますが、
フリーハンドゆえのゆがみや想像で線を補ったものもあるため、
あくまでイメージとしてお楽しみください。
同シリーズ記事はこちら▼
「名古屋城石垣刻印シリーズ」一覧はこちらから
6回に分けてご紹介してきた本丸西壁の刻印たち。
調べてみると、本丸西壁だけで刻印の総数は1500超もありました。
今回のまとめではさらに数を絞り、珍しい刻印や私のお気に入りの刻印で
「これだけは見て!」というものを取り上げてみたいと思います。
まずは本丸西壁の北側、細川忠興の担当箇所から。

この箇所に「団扇」「丸に上の字」「一つ鱗」とともにあるのが
写真右側にある「五芒星」の刻印。


今のところ本丸で確認できているのはこれだけ。
是非見てください!…と言いたいところですが、
結構な倍率の望遠装備がないと見られません。

おススメ度:★★★★★(5)見る価値あり
発見難易度:★★★★☆(4)望遠じゃないと見えません
西壁を向かって左側、天守に近い方から。
この箇所からは3つピックアップしました。

①には「丸に上の字」と「三串団子」。
左側にある「三串団子」の中でも、比較的見つけやすいものかと思います。


おススメ度:★★☆☆☆(2)余裕があれば
発見難易度:★★☆☆☆(2)発見しやすい
②にも他の刻印とともに「三串団子」があり、こちらは丸の中も削ったもの。
「三串団子」の上部にも何かしら刻んであるのが珍しいですね。


おススメ度:★★★☆☆(3)団子好きは必見
発見難易度:★★☆☆☆(2)発見しやすい
③は空堀底からカウントアップする「三」「四」「五」の数字。
陽の差し具合で難易度が変わり、特に「五」は見づらいと思います。


おススメ度:★★★☆☆(3)名古屋城内では珍しい「五」
発見難易度:★★★☆☆(3)曇りの日は厳しい
寺沢広高が担当した、刻印が少ない箇所からはこの一つ。

ここには「六」と刻まれた石があり、
恐らく地下にある根石(最下段の石)から数えて六段目の石。
一つ前にご紹介した「三」「四」「五」のような連番ではなく、
なぜか一つだけポツンとあります。


おススメ度:★★★☆☆(3)数字刻印はチェック推奨
発見難易度:★★☆☆☆(2)発見しやすい
ここから寺沢広高→鍋島勝茂の担当箇所へ。

こちらは下の「三」から上の「十三」まで上がる数字刻印が見られる箇所。
「三」「四」


「五(崩し字)」「六」「七」


「八」「九」「十」


「十二」「十三」


ちなみに「十一」はなぜか欠番となっており、
「八」と「九」は枯葉に阻まれなかなか全体を見られません…
おススメ度:★★★★☆(4)名古屋城で唯一無二
発見難易度:★★☆☆☆(2)雨の日ならさらに見やすい
ここから刻印の数がとんでもないことになっておりますが、
同じ刻印がたくさんありますので種類はそんなにありません。

①には、「工」や「丁」のようなマークに交じり、
真ん中上に刻印同士が合体したような謎の刻印があります。
なぜこんな形になったのか気になる…


おススメ度:★★☆☆☆(2)気になる方はチェック
発見難易度:★☆☆☆☆(1)すぐ発見できると思います
②は「違い山形」と「角に七の字」の激戦区。


しかし、お気づきだろうか。
右側中段にひっそりと「七」の字ではないものが…

おススメ度:★★☆☆☆(2)刻印マニアは是非
発見難易度:★☆☆☆☆(1)すぐ発見できるでしょう
名古屋城でも指折りの刻印密集箇所。
500以上も赤く塗りつぶすのは骨が折れました…

①からは3つ。


「団扇」2つ、「結び雁金」2つ、「三の字」

「ひも付き瓢箪」その一

「ひも付き瓢箪」その二

発見した時は思わず声が出たくらい芸術的な刻印です。
場所がわかれば肉眼でもはっきり見えますので、ここは要チェック!
おススメ度:★★★★★(5)必ず見ましょう!
発見難易度:★☆☆☆☆(1)晴れでも雨でもバッチリ
②は「一串団子」のような刻印がひしめく箇所。


その中にある真ん中の石は、石を割った矢穴跡にも刻印があるレアものです。

おススメ度:★★★★☆(4)かなりマニアック、しかし要チェック
発見難易度:★☆☆☆☆(1)晴れた午後の早い時間が見頃
③には「≪」のような刻印がありますが、
真ん中には「≪」が3つ、顔のように刻んであるものがあります。


おススメ度:★★★☆☆(3)いい顔しております
発見難易度:★★☆☆☆(2)草木で見づらい時季あり
西南隅櫓の下も刻印だらけ。

①の左下にある刻印は、「松井」という名と「三串団子」の組み合わせ。
個人的に「松井団子」と呼んでおりますが、他にもちらほらあります。


おススメ度:★★★☆☆(3)貴重な名前入り刻印
発見難易度:★☆☆☆☆(1)草が無い時期はすぐ見つけられます
②にも「松井団子」がありますが、この箇所の主役は左上にある
「波切車」+「団扇」+「傘」の石。素晴らしいデザインと言えるでしょう。


おススメ度:★★★★☆(4)2つあわせて
発見難易度:★★☆☆☆(2)目を凝らせば見えてきます
これにて本丸西壁は終了。
個別ページではもう少し細かくご紹介しておりますので、
是非そちらの記事もチェックしてみて下さい。
次回からは、本丸南壁を見てゆきましょう!
名古屋城
場所:愛知県名古屋市中区本丸1−1
電車でのアクセス:地下鉄名城線「名古屋城駅」下車後徒歩約5分
車等でのアクセス:名古屋高速都心環状線「丸の内IC」から北方向へ約5分
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新井 良典
愛知県出身、三重県在住の社会保険労務士。一番好きな武将は大谷吉継公。現代にも活かせる人財づくりを戦国武将から学ぶ「いい武将研究会」を主催し、城や戦国武将に関する執筆や講演活動も行っている。
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