徳川家康も使ったかも? それはないはず? 「湯島聖天」美髪の水
2017.07.04
湯島聖天ってどこにあるの?
東京都文京区湯島には、とてもよく似た名前の史跡が三つあります。そのひとつが。
「湯島天満宮(湯島天神)」「湯島聖堂」、あまりにも有名なこの二つの史跡の陰に隠れ、スルーされてしまうことも多い史跡のひとつかもしれません。
この湯島聖天は、湯島天満宮のすぐ近くにあります。
それもそのはず、こちらの開基は1694年で湯島天神の別当寺として開かれたものでした。当時、湯島天満宮の表門は、現在の湯島天満宮男坂下にありました。湯島聖天は、この男坂を下ったすぐ下の場所にあります。
徳川家康ってやっぱりすごい! 資金調達は「おみくじ」で
湯島天満宮は徳川家康が江戸に入ってから徳川家の崇敬を受けるようになりました。
湯島天満宮は、寺社の維持のために「おみくじ」を授与するという方法で資金調達を行っていました。
そのおみくじを授与していたのがどうやら湯島聖天だったのではないかと思われるのです。
その理由はこんなことにあります。
文学と深いかかわり
湯島聖天は、あまり知られていませんが、文学作品にはいくつか登場する場所です。
明治から昭和にかけての文豪泉鏡花の代表作である『婦系図』の中に、弁天様におみくじを引きに行く場面があるのですが、そのおみくじを引く場所が「湯島聖天」。湯島聖天は弁天様をお祀りしていますので、まさしくこの場所に違いありません。
江戸時代、湯島聖天は湯島天満宮の別当寺でした。江戸後期には湯島天満宮で人気のあったおみくじは「富くじ」と呼ばれ、人々に人気があったようなので、やはりこちらで「富くじ」を授与されたのだろうと考えられます。
そんな湯島聖天は、この『婦系図』の他にも、鶯亭金升、平岩弓枝などの作品にも登場しています。
育毛???
なんと湯島聖天は「髪を美しくする水」があります。
その名も「柳正の井」。江戸名水のひとつです。美髪・厄除けの霊水です。
「名水にして女の髪を洗えば如何ように結ばれた髪もはらはらほぐれ、
垢落ちる 気晴れて、風新柳の髪をけづると云う心にて、柳の井と名付けたり。」
と書かれています。
徳川家康は男性なので、この名水で髪を洗ったとは思いませんが、もしかしたら?
ひょっとすると? まさかとは思います髪に悩んでいたとしたら使ったかもしれません。
カメがたくさん
亀の子寺とも呼ばれるそうで縁起のよいカメがたくさん放されています。
運がよいと子亀をみることができるといわれて行きましたが、なんと子亀がたくさん!
「昨日子亀を放しました。かわいがってください。」と書かれた張り紙がありました。
私って運、絶好調かも?
湯島天満宮(湯島天神)にお参りに行かれたら、ぜひこちらも立ち寄ってみてください。
湯島聖天(天台宗 柳井堂 心城院)アクセス
東京都文京区湯島3-32-4
JR 京浜東北線 御徒町駅 徒歩10分
東京メトロ千代田線 湯島駅3番出口 徒歩3分
東京メトロ銀座線 広小路駅A4出口 徒歩8分
東京メトロ大江戸線 上野御徒町A4出口 徒歩8分
拝観料 無料
開館日、公開時間の設定はありません。
武将カテゴリ
rico
教育系ライターricoです。 公立小学校の教員をしていました。戦国時代の強い姫たちが好きです。特に江のファン。読んでくださる方の心にイメージが広がるような文章を紡いでいきたいと思っています。
徳川家康の記事
バックナンバー記事
この記事へのコメントや情報提供をお待ちしています