愛知の城を巡る 山中城
2024.04.20
2017.09.04
豊橋市にある「吉田城」は、戦国時代初期に作られたお城で初期では東三河最前線の城。
現在は豊橋市役所に隣接していて、公園や美術館が併設する中に模擬天守があるという形になっています。
見どころは池田輝政時代に作られたと思われる石垣や、大きな堀など。
その時代の石垣をみるだけでも満足度が高かったですよ!
吉田城の歴史は古く、ウィキペディアによると、1505年に、今川義元の父・今川氏親の命で作られたお城のようです。
永正2年(1505年)に宝飯郡の長山一色城主・牧野古白が今川氏親の命により、渥美郡馬見塚村(豊橋市今橋町。現在の同市馬見塚町とは位置が異なる。)の入道ヶ淵に臨む岡に築城したとされる。築城目的は、西三河で勢力を広げつつあった安祥城の松平長親による東三河進出に備えるため、もしくは、その松平氏の縁戚としての友好関係を保持しながら渥美郡全域で勢いをつけていた戸田宗光を警戒するためのもの、と考えられている。
戦国時代は日本全国にたくさんの国人領主が存在し、遠江、三河もまた国人領主がそれぞれの土地を治めていました。
抗争も非常に激しく、昨日の友は今日の敵状態。
最初は今川家としても管理はしていなかったのですが、渥美郡の国人領主・戸田氏に攻め落とされて以来今川家が直接吉田城を支配することに。
松平家も参加に入れて、三河は今川支配下に置かれていくようになります。
その後、松平清康らの死により求心力を失い弱体化した松平家の後ろ盾として今川家が入るようになりますが、
桶狭間の戦いで今川義元が破れます。
これにより離反した徳川家康によって「吉田城」は攻略され、今川氏の三河支配は終了となります。
その後、「吉田城」は酒井忠次を城代に任命。次なる敵は武田家で、遠江侵略からの三河侵略を徹底的に守り抜くべく「吉田城」で奮闘。結果的には武田家は滅び、三河は徳川家康の支配下となりました。
しかし時代は豊臣時代。家康を関東に追いやった時に、豊臣秀吉の家臣たちに家康が守っていた城を改修させることになります。
「吉田城」を担当したのが、姫路城を作った池田輝政です。
池田輝政は3階建ての櫓がお好みで、川岸からその櫓を見たら完全に戦意を喪失しそうです。
もちろん「吉田城」にもその櫓はあったようですよ。
江戸時代以降ですが、これまたウィキペディアによると、
幕藩体制の下で吉田城に三河吉田藩の藩庁が置かれた。ただし、東海道の重要な防衛拠点の1つに挙げられていたため、江戸幕府の老中・大坂城代・京都所司代格など有能な譜代大名が城主に選ばれ出世城などと呼ばれていた。
国替えが頻繁に行われていた時代なので、全国の譜代大名が入れ代わり立ち代わりやってきたようですね。
出世城とは浜松城もそんな風に呼ばれていました。
豊橋は二川宿など東海道の要所となる場所で、街自体も非常に活気があったようです。
そして明治維新を経て、昭和に入ると大日本帝国陸軍歩兵第18連隊が置かれ当時の弾薬庫跡なども公園内で見ることができます。
公園になっていますが「吉田城」の案内看板はぜひ見ていきましょう。
縄張り図的なものがあって全体をつかむことができます。
周りを見渡すと当時の「吉田城」でいうところの何だったのか、石碑が解説してくれています。
本丸へ入る橋に到着。
橋の下からぜひ覗いていただきたいのは、この深い堀。
立派です。
こちらにも「吉田城」の説明があります。公園内の看板とは情報が違うので、両方チェックしておきたいですね。
おそらく左右に櫓があったと思われますが、もう本丸なんか絶対侵入できない・・・そんな気持ちになります。
こちらが模擬天守。池田輝政が好きな三階建ての櫓ですね。
今は「吉田城」鉄櫓として毎週日曜の10時から15時だけ開放しているようです。
遺構としての見どころはお城の後ろ側。階段で下まで降りられます。
豊川を使った自然の要塞としていますが、なぜか腰郭が作られて豊川からも侵入できそうな感じになっています。
しかし、この腰郭もなかなかなものでただの自然の要塞よりも防御性がアップしております。
こんな横矢枡形が随所に見られます。
このあたりが池田輝政時代の石垣と言われる場所。
1590年代の積み方なので、そこまで整ってはいませんが当時の技術を感じることができますね。
ちょっと草が生えすぎな感じもしますが、そこはご愛嬌なのでしょうか。
遺構が感じられる部分は僅かですが、二の丸御殿があった場所にも行けますのでぐるっと公園内を散歩するだけでもなかなか楽しいお城見学になります。
豊橋に行かれた際にはぜひ「吉田城」に寄ってみてはいかがでしょうか。
住所:豊橋市今橋町3
電話:0532-51-2430 豊橋市観光振興課(吉田城)
<アクセス>
・市電『市役所前』又は『豊橋公園前』下車徒歩3分
・駐車場あり
<入場料>
無料
北村美桂
岐阜県出身。東海三県の歴史旅ブログ「カツイエ.com」の運営を行うWebライター。
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