どこにいた家康 Vol.43 佐和山城
2023.11.10
2024.12.25
この連載は、公益財団法人日本城郭協会が定めた「日本100名城」の中で、
筆者が訪れたことがあるお城を紹介してゆくものである。
なお、城郭名は「日本100名城」の表記に合わせ記してゆく。
今回の史跡は、日本100名城の50番、滋賀県彦根市の「彦根城」。
金亀山(こんきやま)と呼ばれる山へ築城されたため、
「金亀城」という別名も持っております。
1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦い後、
石田三成の旧領だった近江を任された井伊直政が
佐和山城を廃し、琵琶湖付近への築城を計画。
1602年(慶長7年)に井伊直政は亡くなりますが、
翌年にその遺志を継いだ子の井伊直継が彦根城の築城を開始します。
築城は幕府の助力を得て天下普請により行われ、
1606年(慶長11年)に天守が完成し、以後井伊氏の居城に。
その後も築城は続き、1616年(元和2年)に御殿が完成、
すべて完成したのは1622年(元和8年)頃といわれております。
明治維新後、老朽化により破却される予定でしたが、
1878年(明治11年)に明治天皇が彦根に行幸された際、
大隈重信が保存を働きかけたことにより天守などの保存が決定。
1951年(昭和26年)に「彦根城跡」として国の史跡に指定、
同年に天守等が重要文化財に指定されると、
翌年には天守と附櫓及び多聞櫓が国宝に指定されます。
1957年(昭和32年)から「昭和の大修理」がはじまり、
1987年(昭和62年)には彦根市市制50周年として
表御殿(現在の「彦根城博物館」)が外観復元。
1992年(平成4年)に日本の世界遺産暫定一覧表に記載されて以降、
世界遺産登録を目指し現在も活発的な働きかけをしております。
・城下町のある南西側から彦根城攻めスタート
まずは「京橋口」から伸びる石垣と中堀を見渡しましょう
・現在は石垣が残るのみとなっている「京橋口」の桝形ですが、
往時は二重櫓門と多門櫓を備えた厳重な入口だったとか
・桝形内の石垣には釘が挟まっております
・京橋口桝形の先を左へ進み、「大手門橋」から中へ
橋の先にある「大手御門跡」は、左折れの桝形
・「大手御門跡」の矢穴跡が残る石も美しい
・大手御門跡から左上を見ると、「登り石垣」が
彦根山にある5つの登り石垣のひとつです
・毎年12月上旬くらいに紅葉が見頃をむかえ、
この時期に行けば「大手御門跡」もこんな感じ
・大手御門跡の先にある「土塁」、土塁の向こう側は内堀です
・ここから有料ゾーン、緩やかな坂を上ってゆきましょう
・坂の上に見えてくるのは「天秤櫓」
そちらへ行く前に、右手の石垣手前を右へ
・折れ曲がった石垣を左手に見ながら進んでいくと、
先ほど見た大手御門跡へ延びる「登り石垣」を上から見られます
・登り石垣から登城路まで戻り、「天秤櫓」の方へ
・「天秤櫓」の石垣は右側が築城当時、左側が江戸後期に修復した時のもの
私的に廊下橋の下から見るこの角度がおススメ
・階段を登り一段上へ、右手に広がる「鐘の丸」へ移動
こちらも紅葉がきれいでした
・「鐘の丸」を南東へ進み端まで行けば、
表御門跡へ延びる「登り石垣」も上から見られます
・時間が合えば、彦根城博物館にいるひこにゃんを上から見ることも可
・鐘の丸から戻り、「天秤櫓」から太鼓丸へ入ってゆきましょう
手前に架かる「廊下橋」は、かつて屋根付きの橋だったとか
・天秤櫓門の先に広がるのは「太鼓丸」
・正面の石垣にある矢穴石、穴を噛み合わせてあるのが粋ですね
・こちらは「天秤櫓」の内部、外側である左側が二重の「大壁造り」、
本丸側である右側が柱を見せる「真壁造り」となっているそうな
・「天秤櫓」内部の門上あたりから外側を見る図
廊下橋は敵の進入時に落とせる仕組みとなっていたそうです
・「太鼓丸」の中段あたりを右に入れば公衆トイレがあり、
その手前あたりから天秤櫓方面を振り返ると素晴らしい佇まいの石垣が
・同じく、公衆トイレの先くらいから北東方面を見る図
先端の「着見櫓跡」石垣の下あたりにも登り石垣があります
・途中の階段に使われている矢穴石発見!
・本丸へ至る最後の関門「太鼓門」から本丸へ
・「太鼓門」と、その右側にある「続櫓」
名の由来は、城内へ合図する太鼓を置いたことからだそうです
・「太鼓門」の裏側は珍しい高欄付きの廊下となっており、
太鼓の音を響かせるための工夫だと考えられています
・太鼓門をくぐり本丸に到着、国宝の現存「天守」がお目見え
今回の彦根城は1回でまとめきれなかったので次回に続きます。
天守内から西の丸へ、その他井戸曲輪や山崎曲輪を見つつ、
素晴らしい登り石垣の模様を見てゆきましょう
「彦根城博物館」とひこにゃん
彦根城
場所:滋賀県彦根市金亀町1−1
電車でのアクセス:JR「彦根駅」下車後、西方向へ徒歩約15分
車等でのアクセス:名神高速道路「彦根IC」から北西方向へ約10分
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新井 良典
愛知県出身、三重県在住の社会保険労務士。一番好きな武将は大谷吉継公。現代にも活かせる人財づくりを戦国武将から学ぶ「いい武将研究会」を主催し、城や戦国武将に関する執筆や講演活動も行っている。
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