武将愛 SAMURAI HEART

どこにいた家康 Vol.19 小谷城

2023.05.21

この連載は、2023年の大河ドラマ『どうする家康』で舞台となった地を
後追い、あるいは先読みしながらご紹介していくものである。
なお、タイトルにちなんで、記載は年齢問わず「家康」で統一する。

『どうする家康』ちょっとふりかえり

第19回は、武田信玄が遺言とともに世を去るというシーンから開始。
上杉謙信だけでなく武田信玄も大河で演じきった阿部寛さんの演技に感服しました。
徳川家康は大ピンチを切り抜けホッと一安心…と思いきや、武田信玄への恐怖やその言葉、
犠牲になった家臣たちのことを思いだし、放心するという様子が描かれておりましたね。
後半はコミカルでしたが、当時の「家」というものを再考させられる展開でした。

浅井氏が築き居城としていた「小谷城」

今回の史跡は、浅井長政の居城で織田信長との戦の舞台となった小谷城。
敵対勢力を順に排除してゆき、将軍・足利義昭をも追放した織田信長は
次いで浅井長政の籠る小谷城を攻め落とし、浅井氏を滅亡に追い込みます。
ちなみに、小谷城攻めで活躍した木下秀吉は、お市とその娘たちの保護にも注力。
この頃から羽柴秀吉と名のり、後に城持ちとなる大出世を果たします。

 

織田信長により滅亡に追い込まれた、浅井長政の武将像を巡った記事はこちら

 

・小谷城 小谷城戦国歴史資料館の東側にある「追手道」入口と案内看板

・小谷城 追手道を登った先にも、あまり広くはないですが駐車場があります
その駐車場から進んでいくと、まずあるのがこの「番所跡」

御茶屋や桜馬場を見がてら北上、大広間の東側には「赤尾屋敷跡」が
追い込まれた浅井長政が、ここで自刃したといわれております

・小谷城 本丸跡下の「大広間」、春バージョンと秋バージョンを一枚ずつ

・小谷城 本丸跡と中丸跡の間を分断する、見事な「大空堀」

・小谷城 中丸跡の西側下段にある「御局屋敷跡」付近の石垣

・小谷城 御局屋敷跡から中丸跡へ戻り、さらに登って「京極丸跡」へ
小谷城の戦いでは、木下秀吉がここを占拠し勝利を決定づけました

浅井久政が自刃したという「小丸跡」から、山王丸跡へ向かう道

 

「小谷城」の戦い後、織田信長は…

義理の弟だったにもかかわらず敵対し、包囲網を形成し自信を苦しめた浅井長政と、
その父・久政に対し並々ならぬ憎悪の念を抱いていたという織田信長。
小谷城を落とした後は、浅井氏の血筋を絶やすため様々な仕置を行ったといわれており、
『信長公記』では浅井長政・久政父子と朝倉義景の頭蓋骨に金箔を貼り家臣に披露、
『浅井三代記』では浅井長政の頭蓋骨を盃にして酒を飲んだという恐ろしい逸話があります。
信憑性は薄いのではないかと思いますが、信長ならやりかねない…とも思えてしまいますね。

 

小谷城のほかにも様々な織田信長ゆかりの地を巡った記事はこちら

 

・小谷城 山王丸跡東側に残る素晴らしい「大石垣」と、「山王丸跡」の写真

・小谷城 山王丸跡からさらに北上した先にある「月所丸跡」の畝堀と空堀

・小谷城 築城当時は主郭として機能していたといわれる「大獄(おおづく)」
「竪堀」や二重堀切もあり、ここだけでも山城として見ごたえ十分です

・小谷城 小谷城戦国歴史資料館と月所丸跡付近をむすぶ清水谷道から下山し、
道中で「大野木屋敷跡」と「三田村屋敷跡」の石垣を堪能

・小谷城 清水谷道の登り口付近にある「御屋敷跡」
浅井長政やお市と子どもたちは、ここで暮らしていたと考えられているとか

猛将・磯野員昌がいた「磯野屋敷跡」は、追手道入口付近にあります

次回からは、武田信玄の跡を継いだ武田勝頼が三河へ攻め寄せる展開。
そろそろ、徳川家康と瀬名、信康と督姫などの関係や言動が気になりはじめるところですね。
武田勝頼の発言と不敵な笑み、どのように話が展開するのか楽しみにしたいと思います。

今回の史跡「小谷城」

小谷城
場所:滋賀県長浜市湖北町伊部

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新井 良典

愛知県出身、三重県在住の社会保険労務士。一番好きな武将は大谷吉継公。現代にも活かせる人財づくりを戦国武将から学ぶ「いい武将研究会」を主催し、城や戦国武将に関する執筆や講演活動も行っている。

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