愛知の城を巡る 山中城
2024.04.20
2017.01.26
名古屋城には普段は立ち入れない茶室があるのはご存知ですか?
この茶室の中には刻文の入った石や、橘寺の礎石を使った手水鉢、石はすべて旧徳川家から運んできた佐久の石で、江戸時代は藩主以外使用が認められなかった貴重な石。
鎌倉時代の灯籠など、数えればキリがないほど貴重なものがたくさんある茶室なのです。
猿面茶室など3つの茶室があり、利用料を払えば誰でも使用できます。
お高いんでしょ?と思いますよね。
名古屋市の施設なので、書院は1日7400円、茶室は4600円と大変リーズナブルです!
トイレもウォッシュレット付きの洋式と快適そのもの。
実はこんなにスゴイ施設があったんですね。
詳細をここからお伝えしていきますよ。
猿面茶室は織田信長が柱の節を見て、この柱はお前の顔のようにサルに似ていると言ったことからついた名前。
名古屋城の猿面茶室は、当時の茶室に習って復元したものですが、柱の猿に似た節もしっかり復元されています。
この茶室に入るつくばいは奈良法華寺の伽羅石で、前石は名古屋城の石垣の残石です。
その前にある織部灯籠は、熱田区の加藤家で保管されていたもので戦時中は戦火を逃れるために地中に埋めていたと言われるもの。
かなり貴重なものであることは伺えますね。
そして貴人口にある手水鉢は橘寺の橘杭を使っています。
昭和17年にこの茶室の計画を立てた時に、故・森川勘一郎氏が京都から運ばせたものと言われています。
猿面茶室はこのようににじり口の使えます。
武士の気分で刀をおろしてスッと入るという感覚を味わえますよ。
茶室の中には突上げ窓があり、その窓からは正客の位置だけ金のシャチホコが見えます。
その他にもこんな風に石垣の残石の足跡、刻文が見られます。
石垣になったかもしれない石を踏みつけて良いのか迷いますが、大丈夫です。
こちらが書院です。
広くて使い勝手のいい場所です。
縁側でボーっとするのもステキです。
不思議と時間が止まっているような感覚が味わえました。
こんなスゴイ茶室がリーズナブルに借りられるというのは、嬉しい話ですがガマンポイントもあります。
それは電力が20Aしかないので、節約して電気を使わなければならないこと。
電気ポットはNGでカセットコンロを借りてお湯を沸かさなければなりません。
その他お茶会に欠かせない最低限の備品は貸出してもらえます。
ちなみにこの草履も貸し出し品。庭を移動する時に使えます。
そしてスタッフであっても名古屋城に入る時には入城料500円がかかり、再入場できません。
入城料を考えた値段設定や人員配置をしないとかなり大変です。
また荷物が多い場合、車での搬入が朝の8時から9時、16時から17時からのみ可能になります。
その時は通行証をあらかじめもらっておく必要があるので、手続きは忘れずに。
そして誰でも借りられるのですが、目的は必ず聞かれます。
日本文化の伝承にまつわることであればだいたいOKですが、ちょっと外れたものだと許可が降りない場合があります。
なにか企画してみたいと思う方は一度事務所に相談してみると良いと思います。
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<地下鉄>
名城線 「市役所」 下車 7番出口より徒歩 5分
鶴舞線 「浅間町」 下車 1番出口より徒歩12分
<市バス>
栄13号系統(栄~安井町西) 「名古屋城正門前」
栄のバス停はオアシス21内、2番のバス停から。
<名鉄>
瀬戸線 「東大手」 下車 徒歩15分
名古屋高速1号楠線 「黒川」 出口から南へ8分
名古屋高速都心環状線 「丸の内」 出口から北へ5分
北村美桂
岐阜県出身。東海三県の歴史旅ブログ「カツイエ.com」の運営を行うWebライター。
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