武将愛 SAMURAI HEART

この記事は2023年1月15日記事のため内容が古い可能性があります。

どこにいた家康 Vol.02 大樹寺

2023.01.15

この連載は、2023年の大河ドラマ『どうする家康』で舞台となった史跡を
後追い、あるいは先読みしながらご紹介していくものである。
なお、タイトルにちなんで、記載は年齢問わず「徳川家康」で統一する。

『どうする家康』ちょっとふりかえり

今川義元が初回で桶狭間の戦いに敗れ退場、という予想外な展開を見せ
徳川家康は周りから怒号にも近い声で決断を迫られる、という始まりだった『どうする家康』。
織田信長の「俺の白ウサギ」というセリフもなかなかのインパクトでしたね。

徳川家康が逃げ込んだ大樹寺

今回の史跡は、とりあえず東へ向かった徳川家康一行が立ち寄った大樹寺です。
大樹寺にたどり着きはしたものの敵軍に囲まれ、精神的に追い込まれた徳川家康。
自害しようとまで思いつめた迷える子羊(ドラマ的には子ウサギ?)を救ったのは、
大樹寺の住職・登譽上人(とうよしょうにん)のとある言葉でした。

 

・大樹寺 「山門」を外側からと内側から

和尚さんがカンヌキを振り回し織田軍を退散させたという逸話もありますが、
武器としたカンヌキはこれくらいの大きさだったのでしょうか?

・大樹寺 「総門」
山門と総門を結ぶ先には岡崎城が見え、街中を「ビスタライン」として整備しているとか

・大樹寺 1857年再建の「本堂」

・大樹寺 「徳川家康公霊夢像」
三代将軍徳川家光が、夢に出てくる祖父徳川家康の姿を写させた画像を像にしたものです

 

その言葉とは、大樹寺に掲げてあった
「厭離穢土 欣求浄土(おんり(えんり)えど ごんぐじょうど)」
というもの。

「けがれた国土を厭(いと)い離れ、浄土を欣(よろこ)び求めなさい」
というような仏教の教えだそうです。

「欲望にまみれ穢れたこの戦乱の時代を、清浄で平和な時代にしましょう」
かみ砕いてみるとこんな感じではないでしょうか。

 

・大樹寺 徳川家康の孫である徳川家光建立の「鐘楼」

・大樹寺 徳川家康の祖父である松平清康「多宝塔」

・大樹寺 一番手前は徳川家康顕彰墓碑、その隣には「松平八代墓所」

・大樹寺 現在は大樹寺小学校の塀となっている「土塀」

 

岡崎城に入ってどうするか、今川氏真との関係をどうするか、
怖い怖い織田信長への対応をどうするか…

身も心もボロボロの状態で大樹寺に入ったものの、
今後「どうする?」の基準となる言葉に出会った徳川家康。
しかし、展開上まだまだその悩みが尽きることはなさそうです。

大樹寺へのアクセスをご紹介した記事はこちら

徳川家康渡船之所碑と鹿ヶ松

ここからは余談。
大高城から岡崎へ帰る徳川家康一行でしたが、その目前には矢作川が。
どこからどのように渡ったか、はっきりしているわけではありませんが
その候補地として「徳川家康渡船之所碑」と「鹿ヶ松」という場所があります。

 

・船で矢作川を渡ったのか?北側にある「徳川家康渡船之所碑」

渡船之所碑あたりから矢作川を見るとこんな感じです

・荒れる矢作川を前に徳川家康一行が困っていると、三頭のシカがあらわれて
浅瀬を渡り始めたもしくは徳川家康を乗せて川を渡ったという伝説がある地「鹿ヶ松」

 

鹿ヶ松は渡船之所碑の約4㎞南にあり、大樹寺に近いのは鹿ヶ松。
ちなみに鹿ヶ松伝説には、シカが主君を助けたのを見た若き本多忠勝が
「自分もあんな風に主君を助ける存在になりたい!」と思い
自分の兜にシカの角をつけるようになった、というお話の続きもあるそうな。

今回の史跡

大樹寺
場所:愛知県岡崎市鴨田町広元5−1

徳川家康渡船之所碑
場所:愛知県豊田市配津町十六通

鹿ヶ松(三鹿の渡し跡)
場所:愛知県岡崎市北野町上池

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新井 良典

愛知県出身、三重県在住の社会保険労務士。一番好きな武将は大谷吉継公。現代にも活かせる人財づくりを戦国武将から学ぶ「いい武将研究会」を主催し、城や戦国武将に関する執筆や講演活動も行っている。

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