武将愛 SAMURAI HEART

この記事は2017年7月18日記事のため内容が古い可能性があります。

こんなに面白かったんだ!名古屋城の魅力を再発見できた徳川美術館「天下人の城」展

2017.07.18

7月15日から9月10日まで徳川美術館の特別展「天下人の城」展が開催中です。
三英傑好き、城好きにはたまらない展示物が220点も並びます。

どの時代にスポットを当てても楽しいのですが、今回は武将愛が名古屋城をたくさんとりあげているので「名古屋城」に絞って展示品をご紹介したいと思います。

名古屋城関連の展示は多数ある!

尾張徳川藩の美術品の保全を図るべく、昭和6年に設立された財団法人尾張徳川黎明会。
昭和10年には名古屋の地に美術館を建設し、尾張徳川家伝来の宝物の公開を始めたことが徳川美術館の始まりだと、徳川美術館ホームページに書いてありました。

名古屋城の初代城主・義直は尾張藩の初代藩主でもあるので、尾張藩関連、名古屋城関連の宝物がたくさん展示されています。
どんなものがあるかは、徳川美術館の応援団ブログの展示品リスト一覧にてご確認ください!

220点の展示品をすべて解説しています。
これがあると展示品見るのが楽しくなります。

築城職人は西軍についていても許されるという書状など

「【146】豊臣秀吉朱印状 木全又左衛門尉(忠澄)・滝川彦次郎(忠征)宛 関ヶ原で西軍だったのに家康が許した築城名人」は、なんと西軍についていた武将にも関わらず、築城スキルが高い職人だったのでお咎めなしで名古屋城の築城に当たらせたというすごい事実が書いてあります。
凄腕職人さんの技術はいつの時代も重宝されるものなのですね。

そして、西北隅櫓のある御深井丸が非常に苦労したということがわかる、当初の設計図「【166】名古屋城普請丁場割図 」も興味深いです。

西北隅櫓がある御深井丸は低湿地で地盤がゆるく、思ったような石垣を作ることができなかったということがわかる図です。昔は地盤補強工事という技術もなかったでしょうから、建築に当たった人、設計に当たった人、とにかく苦労したんだろうなと思います。

驚いたのは、実は名古屋城が未完成だったかもしれないという、「【169】大坂冬の陣図屏風(肉筆模写)」

あの名古屋城が実は完成していなかったというのは衝撃ですよね。
ちなみに未完の場所はどこかというと、二之丸の北側だそうです。ここには義直の書斎が建てられました。
大阪の陣が長引いていたら、石垣があって防御力をもっと高めていたとのこと。

時代の転換期を名古屋城で知ることができますね。

また、 「【163】徳川義直画像【164】平岩親吉画像は、徳川義直画像と育ての親・平岩親吉画像」も面白いです。
義直をずっとサポートしていた家康の家臣・平岩親吉について知ることができました。
彼の愛刀「【168】脇差・無銘」も展示されます。

名古屋城城主は清正と間違えられる問題の謎が解明

 武将愛でもおなじみ、城主は加藤清正ではないのに間違えられているのは、名古屋城に銅像があるからかと思っておりました。
しかし、そうではなく石垣に加藤家のサインを彫ったことが理由であるということがわかる書状です。

「【195,196】加藤清正書状 瀧川豊前守ら宛」

今回の展示でも清正コーナーが設けられ、清正が虎退治した時のトラの頭蓋骨などが展示されます。

そして個人的には一番名古屋城のすごさを感じられる展示だと思うのが、尾張藩14代17代当主慶勝公の撮った、当時の名古屋城の写真です。
「【207~215】最後の名古屋城主 尾張藩14代徳川慶勝が撮影した名古屋城の生写真!」

慶勝公がこの時代では珍しいカメラでの撮影をしていたことや、当時の名古屋城の様子がしっかりわかるスゴイ写真たちです。
また殿様である慶勝だからこそ、城内のいろいろなところを撮影できたこともこの写真の大きな価値。
殿様ですがここまでくるとジャーナリストレベルの活躍もされていることになりますね。

まだまだ名古屋城関連の展示があるので、これを見ると今の名古屋城を新しい視点で見ることができます。
ぜひ会期中に「天下人の城」に行ってみてください!

徳川美術館へのアクセス

住所:名古屋市東区徳川町1017
電話:052-935-6262
休館日:月曜日(ただし7月17日(祝)と18日は開館、8月14日(月)は臨時開館)
料金:大人/1400円、高校生大学生700円、小中学生500円
毎週土曜は小中高生無料、提携大学の職員と学生は無料。

公共交通機関をご利用の場合

<JR/地下鉄>

名城線 「大曽根」、JR中央線 「大曽根」 下車 徒歩15分

<市バス>
なごや観光ルートバス「メーグル」 「徳川美術館」徒歩3分
基幹2号系統 「徳川新出来町」 下車 徒歩5分

徳川美術館までのアクセス方法
バスの乗り方

武将カテゴリ

北村美桂

岐阜県出身。東海三県の歴史旅ブログ「カツイエ.com」の運営を行うWebライター。

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