続100名城を巡る「滝山城」
2024.11.28
2017.06.23
東京都港区高輪。品川駅から向かうと高台に広がる閑静な街に、曹洞宗江戸三ケ寺当萬山泉岳寺があります。
泉岳寺といってまず思い浮かぶのは「赤穂事件」。
ここ泉岳寺は浅野家の菩提寺であり、赤穂浪士が討ち取った吉良上野介の首を洗ったといわれる井戸や、浅野内匠頭が切腹をしたときの血がかかったと伝えられる「血染めの梅」「血染めの石」などがあります。
泉岳寺は駅名にもなっているので興味があったお寺ですが、血染めと聞いて足が遠のいてしまっていたのは私だけ? でしょうか。
けれど、行ってきました。赤穂浪士のお寺とばかり思っていたのですが、実はこの泉岳寺も徳川家康創建のお寺だと知ったからです。
確かに赤穂藩主浅野家の菩提寺だけに、赤穂四十七義士の墓所もあり、赤穂義士記念館もあるので、ぜひ泉岳寺に訪れたなら、この名士たちの墓所をお参りしていただきたいと思います。忠誠を尽くした名士たちらしく皆一緒に眠っている墓所は清々しさがあります。
私が、今回この泉岳寺をおすすめしたいのは、あれほど行くのをためらっていたにもかかわらず、山門を前にして思ったのは、「なんてきれいな空気が流れているのだろう。」と思った泉岳寺の空気感を味わっていただきたいからです。
清々しさと温かさを感じる場所
その「きれいな空気感」を感じた理由は三つあります。
まず、一つ目はこの泉岳寺の山門の先には市立高輪中学校、高等学校があること。この学校は泉岳寺に隣接しているため、泉岳寺の山門を通って学生が通っています。学びの場は基本的にプラスの場だと思うので、学生たちの生気がその場をきれいにしているのだと思います。
二つ目は、このお寺が、徳川家康が幼少時代に身を寄せていた今川義元の菩提を弔うために江戸に隣接するこの外桜田門に創建したものだということ。
徳川家康が幼少の頃にお世話になったことを忘れずに、ここ泉岳寺に度々お参りをした場所ということが、温かで穏やかな空気感をつくりだしているのではないかと思いました。
三つ目はこの萬松山泉岳寺。 萬松山の「松」は松平から、そして泉岳寺は「源の泉、海岳に溢るる」すなわち徳川にちなんだものと旧梵鐘の銘に記されている通り、今も素晴らしい松の木が山門の傍に立派に佇んでいるということ。
ここも江戸城に
少し坂を上ったところにある泉岳寺。現在の皇居からはずいぶんと離れているように感じますが、この近くまでも江戸城があったとは。さすが徳川江戸城です。
東京都港区高輪2-11-1
都営浅草線 泉岳寺下車 徒歩1分
JR山手線 品川駅 徒歩15分
開閉門時間
4月1日~9月30日 7:00~18:00
10月1日~3月31日 7:00~17:00
赤穂義士記念館
拝観料 大人 500円 中高生 400円 子ども 250円
拝観時間
4月1日~9月30日 9:00~16:30
10月1日~3月31日 9:00~16:00
rico
教育系ライターricoです。 公立小学校の教員をしていました。戦国時代の強い姫たちが好きです。特に江のファン。読んでくださる方の心にイメージが広がるような文章を紡いでいきたいと思っています。
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