武将愛 SAMURAI HEART

どこにいた家康 Vol.24 横須賀城

2023.06.24

この連載は、2023年の大河ドラマ『どうする家康』で舞台となった地を
後追い、あるいは先読みしながらご紹介していくものである。
なお、タイトルにちなんで、記載は年齢問わず「家康」で統一する。

徳川家康が築かせた、珍しい石垣のある「横須賀城」

今回の史跡は、高天神城の奪還を目指して築城された「横須賀城」。
西と東に大手門があったことから「両頭城」とも呼ばれた城で、
対武田氏の最前線を任されていた大須賀康高が築城したといわれております。

1578年に、松尾山と本丸を主とする山城として築城。
後に二の丸や三の丸などの平坦部が拡張されたといわれており、
中世城郭と近世城郭の特徴を併せ持つ城として知られているとか。

天竜川から運んできた河原石を用いて積んだという
珍しい「玉石積み」の石垣が最大の見どころと言えるでしょう。

 

「横須賀城」の見学ルート①

・まずは城跡西側の駐車場へ、西に広がる「二の丸跡」を見渡します

・東方向へ進み、「米倉跡」と横須賀城の案内板も見ておきましょう

・案内板を確認した後、駐車場に隣接するこの階段を登り「西の丸跡」へ

・西の丸跡から先、生け垣の向こうに見えるのは「本丸跡」

・本丸跡には「天守台跡」と城跡碑があり、付近には立体的な城跡模型も

・本丸跡を南へ下ると、城内に唯一残る堀跡である「三日月池」が正面に見えてきます

 

高天神城奪還の立役者である「横須賀城」の大須賀康高

あまり有名ではない大須賀康高ですが、実は徳川二十四将にも数えられる人物。
高天神城争奪戦における主役のひとり、といっても過言ではないでしょう。

大須賀康高は、1574年武田勝頼に高天神城を攻めた際、籠城し健闘するも降伏。
その後徳川家へ戻り横須賀城を築くと、同じく帰還し与力となった「横須賀衆」とともに、
攻め来る武田軍を撃退、高天神城への補給を妨害するなどの働きを見せます。

六つもの砦を築き、高天神城を包囲して孤立させた徳川家康は、
1581年に悲願であった高天神城奪還を果たして遠江から武田軍を一掃。
後に徳川家康は大須賀康高に「松平」の名字を与え、その働きを評価しました。

高天神城奪還など徳川家康ゆかりの地を巡った記事はこちら

 

「横須賀城」の見学ルート②

・三日月池の北側中段、振り返れば素晴らしき「玉石積み石垣」!

・続いて東→北へ進み「北の丸跡」方面へ、正面右手に見えるのが松尾山です

・北の丸跡を見る前に、かつての本丸だったといわれる「松尾山」をチェック
最も高い箇所には横長の建物跡があり、ここには多門櫓があったそうな

・松尾山を下り、「北の丸跡」から本丸跡方面を見上げる

・こちらは、「北の丸跡」に残る溝状の石列
排水溝もしくは庭園の一部ではないかといわれているそうです

・「北の丸跡」から西へ戻り、いよいよメインディッシュへ

・最後に、最大の見どころである本丸跡南下門跡の「玉石積み石垣」へ!
南側の駐車場はこの石垣の下なので、メインを先に見たい方はここから攻めましょう

 

次回どうなる、『どうする家康』

徳川家康は武田勝頼と内通したとして処断された伯父・水野信元から、
瀬名は織田信長から命令をうけている五徳からクギを刺されておりましたが、
もはや、覚醒(?)を果たし、腹を決めて行動し始めた瀬名は止まりません。

真偽はともかく、瀬名と松平信康の「悪評」は徳川家康と織田信長の元に…
果たして、瀬名は武田方の千代・穴山信君とどのように渡り合うのでしょうか?
前半のクライマックスである「信康事件」はいよいよ大詰め、
『どうする家康』がこの事件の結末をどう描くのか、刮目して見たいと思います。


瀬名(築山御前)ゆかりの總持尼寺

今回の史跡「横須賀城」

横須賀城
場所:静岡県掛川市西大渕4226

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新井 良典

愛知県出身、三重県在住の社会保険労務士。一番好きな武将は大谷吉継公。現代にも活かせる人財づくりを戦国武将から学ぶ「いい武将研究会」を主催し、城や戦国武将に関する執筆や講演活動も行っている。

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