100名城を巡る 甲府城
2024.10.29
2024.03.13
静岡県葵区には、徳川家康ゆかりの地がたくさんあります。そのひとつが「臨済寺」。賎機山(しずはたやま)のふもとにあるこのお寺は、徳川家康の幼少期にゆかりがあるお寺です。
賎機山といえば、やはり真っ先に思い浮かぶのが今川館。この一帯は今川領の支配下にあった場所で、「臨済寺」は、出家した今川義元のために、父、今川氏親が建てたものです。当初は善徳院と呼ばれていました。
その後、今川義元が兄の今川氏輝を弔うために「臨済寺」として改名し、お寺として開きました。そのため今川家の菩提寺となりました。
NHK大河ドラマ「どうする家康」第41回放送では、鳥居元忠が徳川家康に伏見城を任せられるシーンがありました。鳥居元忠が「あの泣き虫の殿が・・」と涙する姿に、胸が締め付けられるような思いでご覧になった方もいらっしゃったと思います。徳川家康と鳥居元忠。これが最後となるのは、お互いに感じていたことと思います。そんな気持ちで杯を汲みかわすなんて、想像しただけでも切なすぎます。
鳥居元忠の見てきた泣き虫竹千代。この「臨済寺」は、鳥居元忠と徳川家康の思い出の場所のひとつでもあったはずです。駿府城にも復元させている「竹千代の間」。そのものがこの「臨済寺」に存在していました。
現在も僧堂が修行僧の専門道場となっているためか、厳かな空気感があり、身が引き締まる感じがします。
建造物や庭園内は、春と秋、二日間の特別公開日以外は非公開ですが、それらを観ることができなくても、お寺の持つ雰囲気がとても凛としているので、お近くに行った際は、立ち寄ってみるのもおすすめです。特に鬼の階段とよばれる長い階段は、下から眺めると、キリッとします。
ちなみに、春の特別公開は5月19日にあり、この日は今川義元の命日に当たります。また秋の公開は10月15日で、摩利支天祈祷会が執り行われる日となっています。
摩利支天祈祷会とは、摩利支天(まりしてん)という仏教の守護神である天部の一尊で、威光菩薩様とも呼ばれます。太陽や月の光、陽炎を神格化したもので、徳川家康も信仰していたということです。「臨済寺」には、この摩利支天像が安置されています。
静岡県葵区大岩町7番1号
JR静岡駅よりバス
静鉄バス「臨済寺前」下車徒歩3分
拝観時間、拝観料等特に記載なし
rico
教育系ライターricoです。 公立小学校の教員をしていました。戦国時代の強い姫たちが好きです。特に江のファン。読んでくださる方の心にイメージが広がるような文章を紡いでいきたいと思っています。
中部地方の記事
徳川家康の記事
この記事の後によく読まれているおすすめ記事
バックナンバー記事
この記事へのコメントや情報提供をお待ちしています