若き徳川家康(当時は松平元康)が大高城を脱し、岡崎に向かった際に立ち寄ったと伝わる岩骨(やなべ)城の跡地に立つ寺。城主の中川勝時(なかやまかつとき)には、家康生母・於大の妹が嫁いでいた。なお、岩滑城近くで空腹だった家康が近隣の農家の軒先に干してあった生のせんべいを食したという逸話があり、これが現在の半田の銘菓「生せんべい」のルーツとされている。
*家康が大高城から岡崎に向かったルートは諸説ある。
城跡の遺構はないが、半田が生んだ児童作家・新美南吉の童話『ひよりげた』の舞台である。近くには南吉の生家跡も残る。境内には創建時に寄進されたと伝わるソテツが植えられている。寺の北方に流れる矢勝川にかかる岩滑西橋は大高城から逃れた家康が渡った橋といわれ、「お殿様橋」、「藩費(はんぴ)の橋」の異名がある(現在は鉄筋コンクリート製)。
住所:半田市岩滑中町7-23
アクセス:名鉄河和線「半田口」駅下車、徒歩約8分
駐車場:あり