寺津八幡社は、建久年間(1190~1199)に大河内氏初代である源顕綱(あきつな)が創建したと伝わる神社。大河内氏は後に吉良氏の家老となり、10代・信政の時に寺津城を築城。12代・秀綱の時に起こった「三河一向一揆」では徳川家康(当時は松平家康)と敵対するものの、その後は家康に属し活躍する。慶長13年(1608)に家康が本殿を再興、寺津八幡社を将軍家の守護神として仰ぐと、寛永9年(1632)には応神天皇とともに家康が合祀(ごうし)された。
南側から参道に入ると、正面に見える切妻破風(きりづまはふ)を用いた「妻入り拝殿」が目を引き、近づいて見上げると徳川家十六代当主・徳川家達による扁額(へんがく)が見られる。寺津八幡社の南側には寺津城跡碑がある「瑞松寺」、道路を挟んだ東側には家康の進言で寺名を改称したという「養国寺」もあるため、こちらも併せて押さえたい。
住所:愛知県西尾市寺津町西市場41
アクセス:名古屋鉄道西尾線「西尾」駅下車、六万石くるりんバス 4寺津矢田線「寺津神社前」下車、徒歩約1分
駐車場:あり